オーストラリアン・ベースボールリーグ(Australian Baseball League; ABL)は、オーストラリアのプロ野球リーグ。2010年発足。オーストラリア野球連盟(Baseball Australia; BA)によって運営され、オーストラリア連邦政府の支援を受けている。

History

ABL発足以前

オーストラリアで野球が行われるようになったのは100年以上前と言われており、アメリカの鉱夫によって紹介されたのがはじまりだとされている。1897年にはオーストラリア人だけで組織されたナショナルチームがアメリカ遠征を行い、14試合で10勝を挙げたという記録が残っている。1930年代には国内のアマチュア野球リーグが整備されたが、南半球にあるため野球が盛んな国のメインシーズンと合うことができず、国際試合に再び顔を出したのは1971年の韓国で開かれたアジア野球選手権大会からであった。

オーストラリア国内で野球というスポーツが一般に認知されはじめたのは、1987年のデーブ・ニルソンのミルウォーキー・ブルワーズ入団からであり、その後徐々に選手数を増やしていくこととなった。

オーストラリアでは1980年代に様々な国内プロスポーツ組織が結成され、野球においても1989年に最初の「オーストラリアン・ベースボールリーグ」が8球団の参加により発足した。1994年には参加球団数が9へと拡大され、翌1995年にはアジア地域のプロ野球リーグによるトーナメント「アジア・パシフィックスーパーベースボール」に招待出場するなど競技の普及に力を尽くしたものの、財政難により発足から10年後の1999年にリーグごとデーブ・ニルソンによって買収され消滅した。ニルソンはその年、新リーグ「インターナショナル・ベースボール・リーグ・オブ・オーストラリア」(International Baseball League of Australia; IBLA)を発足するに至った。新リーグには国外に本拠地を置く球団も複数参加するなど、旧ABL時代よりグローバルに展開された。しかしIBLAも2002年を最後に休止となった。

そのため、現在のオーストラリアン・ベースボールリーグが発足する2010年まで国内プロリーグが不在となった。その間もナショナルチームは、継続的に国際大会やグアム、サモア、フィジーなどのチームが参加する「オセアニア野球選手権大会」へと参加し、後述の大規模なアマチュアリーグも毎年開催されるなど、競技者自体は一定数存在していた。

クラクストン・シールド

プロリーグとは別に、1934年から2010年までは、州別対抗アマチュアリーグの「クラクストン・シールド」(Claxton Shield(英語版))という大会が行われていた。これは豪州最大の野球大会であり、旧ABL/IBLAといった各プロリーグもこの大会を兼ねる形で開催されていた。現ABL発足後も同様にリーグに統合する形で休止され、優勝トロフィーであった盾「クラクストン・シールド」はABLチャンピオン球団へと引き継がれている。

リーグ発足

現在のABLは、2010年に旧オーストラリア野球連盟(Australian Baseball Federation; ABF)とメジャーリーグ機構(MLB)の出資により本格的なプロ野球リーグとして発足した。オーストラリア国内に本拠地を置く6球団が参加し、この年の11月から翌年2月まで、レギュラーシーズン40試合、ポストシーズン12試合という日程でスタートした。当時MLBの下部組織であったリーグの性格も手伝い、北米マイナーリーグの選手も多数派遣され、さらに日本からは読売ジャイアンツ・福岡ソフトバンクホークス・阪神タイガース・埼玉西武ライオンズなどNPB複数球団の選手が派遣された。その後も各国との派遣交流は続いており、日本からもNPBのみならず、リーグ発足前からABFとの間で派遣交流のあった四国・九州アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)や、社会人野球の選手らが参加している。

リーグ戦は北半球のシーズンオフに開催されるため、実力のある選手はその後アメリカ、日本、台湾、イタリアなどのプロリーグでプレーするというパターンが多く、中南米のウィンターリーグに近い形であると言える。このため日本やアメリカ、台湾などからも冬季の調整を兼ねて参加する選手がいる。

また、2011年からアジアシリーズにも参戦し、2013年にはキャンベラ・キャバルリーがABLの球団として初のチャンピオンに輝いた。

新球団の加入とリーグの拡大

2017年シーズン初頭には、オーストラリア国内における野球競技の知名度やレベルの向上を受けたリーグの拡大構想が示され、翌2018-19シーズンより参加球団数が8となることが発表された。ニュージーランドのオークランドを保護地域とするオークランド・トゥアタラ、KBOリーグの選手が参加するなど韓国と深い繋がりのあるジーロング・コリアの2球団が新たに加入した。8球団体制となったことによりリーグが再編され、各球団が「サウスウェストディビジョン」と「ノースイーストディビジョン」に割り振られる2ディビジョン制となり、ワイルドカード制の導入などポストシーズンのシステムも改められた。

また、2018年は侍ジャパンとの代表強化試合の開催や、ABLでもプレー経験のある台湾プロ野球の伝説的選手である張泰山のブリスベン・バンディッツのコーチとしての招聘、台湾でのプロ野球放映権を持つイレブンスポーツとの提携によるリーグ戦およびポストシーズン全試合の台湾での放送開始などの動きが相次ぎ、前述のオーストラリア国外を主体とする新球団加入とあわせ、アジア・オセアニア地域でのリーグの国際展開へと舵を切る年となった。

2022年5月には、翌2023年11月に開幕する2023-24シーズンからの更なるリーグ拡張が計画されており、日本人選手を主体とし、オーストラリア国内を拠点とする球団の発足を日本側に打診していることが報じられた。

2023年4月、ニュージーランドを本拠地とする唯一の所属球団であったオークランド・トゥアタラがリーグへの不参加と球団の清算を発表し、8月には韓国人選手による球団であったジーロング・コリアもリーグへの不参加を発表した。これにより、2023-24シーズンは2018年のリーグ拡張以前の6球団1ディビジョン制に戻ることになった。

同年9月には、オーストラリア野球連盟(BA)が新たな配信アプリ「Baseball+」の導入を発表。アプリは同年10月上旬からダウンロードが可能となり、ABLやオーストラリア代表の試合について、全世界向けの無料ライブ配信が開始された。

オーストラリアン・ベースボールリーグは、オーストラリアで開催される野球のトーナメントです。このリーグは、オーストラリア国内のプロ野球チームが参加し、優れたプレーと熱狂的なファンを魅了しています。オーストラリアン・ベースボールリーグは、高いレベルの競技力とエンターテイメント性を兼ね備えており、野球ファンにとっては見逃せないイベントです。各チームは、独自の戦略とスキルを駆使して優勝を目指し、激しい試合が繰り広げられます。また、オーストラリアの美しい自然環境に囲まれた球場での試合は、観客にとっても特別な体験となります。オーストラリアン・ベースボールリーグは、野球の魅力を最大限に引き出す興奮とスリルに満ちたイベントであり、オーストラリアのスポーツ文化の一翼を担っています。